剣山は西日本最高峰(1982m)と言われる石鎚山に次いで2番目に高い山です。
標高1955mあり徳島県にあります。
登山経験者の方にお伺いすると剣山は山頂近くまでリフトがあったりするので初心者でも比較的登りやすい山だといわれています。
でも、剣山の魅力は登山だけじゃないんです。
剣山へは行ってみたいけど登山はちょっとムリかもと言う方のために登山以外の剣山の楽しみ方とおすすめルートをご紹介します。
剣山へ到着するまでの道中の自然が残るスポットなど奥深い山々の地域を楽しみながら剣山まで行ってみましょう。
落人伝説が残る平家屋敷 阿佐家
高知から祖谷のかずら橋を通って県道32号線を行くと京柱峠から続いている国道439号線と交差しているところへ進みます。
目の前のトンネルを抜けると東祖谷へ行くのですがその前にトンネルを抜ける手前の国道439号線を京柱峠の方へ少し行くと平家屋敷 阿佐家があります。
東祖谷の阿佐名に住居を構えた平国盛が代々阿佐氏と名乗ったのがはじまりで現在でも末裔の23代目の方が住まわれています。
徳島県の有形文化財に指定されている平家屋敷は遠い昔の歴史に触れることができます。
この東祖谷周辺は平家の落人伝説が伝わる地域なので「東祖谷民族歴史資料館」でも見ることができます。
東祖谷民族歴史資料館の詳細
- 住所:徳島県三好市東祖谷京上14-3
- 電話番号:0883-88-2286
- 開館時間:午前8:30~午後5:00
剣山まで続く国道439号線を走れば自然や歴史がいっぱい
この辺りまで来ると空気も澄んでいます。
深い谷を流れる川の水は青く澄み切っていて周りは騒音もなく流れる水の音しか聞こえません。
古民家の長岡家住宅と落合集落
三好市東祖谷の地域には「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されている落合集落があります。
山の斜面に並ぶ落合集落の中でも一番古い古民家の長岡家住宅があります。
古民家の長岡家住宅からは、向かい側にある落合集落の展望所や古民家民宿の「祖谷 八景」さんも見えています。
落合集落が一望できる展望所は絶景のビュースポットです。
古民家民宿 祖谷八景に泊まった時のエピソードはこちら
虹の谷公園
さらに、国道439号線をひたすら進むと東祖谷村久保というところへ行きます。
ここは標高642mあり剣山へ向かう国道439号線は段々と標高が高くなっていきます。
ここではコバルトブルーの祖谷川の水の色がひときわ目を引きます。
そして、少し先へ行くと虹の谷公園と書かれた案内板があります。
ここではすぐ目の前で滝を見ることができます。
日が差している時間帯に滝を見ると流れ出る滝の水に虹がかかると言われ「虹の滝」と言われています。
こんなところにイタドリが生えています。
高知ならすぐになくなってしまいますね。
奥祖谷の観光周遊モノレール
虹の谷公園から10分ほどの所に奥祖谷観光周遊モノレールがあります。
奥祖谷観光周遊モノレールは全長4600mあり高低差590m、最頂標高1380mまで登って行きます。
観光用モノレールとしてはすべてが世界一と言われています。
森林浴を味わいながら最大傾斜度が40度もある登り坂を頂上までモノレールに乗って行く迫力は、大人も子供もテンションMAXで遊ぶことができます。
頂上まで行くと剣山系の山々が一望でき野生のシカに出会うことも・・・
ここもまさに絶景スポットです。
名頃 かかしの里
思わず声をかけてしまうようなかかしがあちこちにいます。
ここは標高800mにある天空の村と言われている名頃 かかしの里です。
最初は畑に設置しようと思ってかかしを作ったのがきっかけで現在ではかかしが100体以上あると言われていて集落の住民より多いそうです。
人口減少が深刻化されている名頃集落にかかしを置くことで住民増加に期待を寄せているんですね。
実はこのかかし、落合集落の展望所にも遊びに来ています。
なぜかというと民宿祖谷八景さんのご主人のいとこさんが名頃集落のご出身なので落合集落の展望所にかかしを連れてきてくれたそうです。
ほんとに人がいるみたいですね。
思わず「こんにちは!」なぁんて声をかけてしまいそうです。
名頃ダムと三嶺山
かかしの里を過ぎると三嶺山(みうね)の登山口があります。
ここは標高が910mあります。
ところでこの山の言い方が高知県と徳島県と違いがあるのをご存知ですか?
徳島県の方にお聞きしたのですが
高知県では「三嶺=さんれい」
徳島県では「三嶺=みうね」と言うそうです。
確かに「さんれい」とパソコンで打っても変換されませんが「みうね」と打つと「三嶺」と変換してくれます。
私は、高知県なのでこの山の事をずーっと「さんれい」と読んでいました。
さらに進むと山の間から名頃ダムの堰堤が見えてきます。
平成28年からは無人のダムになっているので立ち入り禁止のところがありますが道路わきから覗く感じでダム湖を見ることができます。
水の色がきれいなダム湖です。
ここまで来たら剣山のリフトがある登山口まではあと5,6㎞ほどです。
先ほどのかかしの里では、この名頃ダムの建設時にはダムの建設に関わる多くの人が住んでいたので大変な賑わいを見せていたそうです。
奥祖谷二重かずら橋と野猿(やえん)
奥祖谷の二重かずら橋は約800年前、平家の一族が馬場の訓練に通うために架設された橋とされています。
西祖谷にある祖谷のかずら橋は広い駐車場があったりして人気の観光名所となっていますので多くの観光客が訪れます。
奥祖谷の二重かずら橋は行くのにも遠いので比較的訪れる人が少ないかもしれません。
奥祖谷と言うほどなのでかなりの秘境感を味わうことができます。
二重かずら橋
かずらで作られた橋が2つあるので二重かずら橋と言われています。
見た目も祖谷のかずら橋とは似たような造りでやや小さめになっています。
高さはあまりないのですが渡って行く橋の足元の枕木と枕木の間が祖谷のかずら橋と同様に足がすっぽりと入ってしまうくらい間が開いています。
渡る時は大股で歩いてスリルを味わいながら楽しめる人と恐怖を感じる人とに分かれるでしょうね。
野猿(やえん)『野猿』については2022年現在、故障につき使用中止になっています。
野猿とは川の上を屋形と呼ばれる屋根付きの箱のようなものに乗ってワイヤーロープを使って向かいの岸に渡るというものです。
屋形の中にあるワイヤーロープは2本あるので1本のロープをたぐり寄せながら前進していきます。
ロープを手繰り寄せて行く姿がサルに似ているところから「野猿(やえん)」と名付けられたそうです。
向かいの岸に渡ってしまったらかずら橋を渡るか再び野猿で戻るしか方法がないのでご注意を。
野猿の料金は駐車場で払った料金に含まれています。
奥祖谷二重かずら橋と野猿の詳細
駐車場で料金を払って遊歩道を少し下って行きます。
かずら橋や野猿は危険性を含む恐れがあるので年齢の低いお子さんには十分な注意が必要です。
- 住所:徳島県三好市東祖谷菅生620
- 電話番号:0120-404-344
- 料金:大人550円 小人350円
- 時間:9:00~17:00
- 定休日:水曜日
- 駐車場:あり(無料)
いよいよ剣山へ
ここまで来るとあと2㎞で剣山へ到着です。
剣山の登山口は見ノ越第一駐車場へ到着するとリフト乗り場があります。
ここは標高1420mあります。
そして、祖谷のかずら橋から走ってきた国道439号線もここで国道438号線と交差して終わりになります。
剣山名物のだんご
登山口付近の見残し第一駐車場のすぐ隣に「霧の峰」という食事ができるお店があります。
ここの店先では名物の大きな団子があります。
お店の中にある食堂で頼んで食べることもできます。
お皿からはみ出るような大きな団子はもちもちの食感で甘さ控えめのタレがかかっていて一度食べると忘れられない味はまさに名物のお団子です。
しかし、残念ながら5月の終わり頃には御団子のシーズンが終わってしまいます。
再開は10月の初め頃になります。
食べられる期間が短いので、行かれた時に時期が合えばぜひ食べてみてください。
最後に・・・
祖谷のかずら橋から国道439号線を距離にして約27㎞ひたすら進んで剣山まで行く見どころスポットをご紹介しました。
剣山周辺には剣山にしかない山草などがたくさん自生しているので周辺を散策して見つけるのも楽しいですね。
その他のアクセス方法としては、徳島県側から国道438号線を通って行く方法があります。
高知県側からの国道439号線よりもやや道幅が広いのでアクセスしやすいかもしれません。
ただし、冬の間はどちらの道も標高の高い山道を通るので道路が雪道だったり、凍結していたりするので寒い季節は注意が必要です。
剣山は登山も楽しめるし、登山をしなくても自然を堪能しながら楽しめます。
剣山の魅力の感じ方は人それぞれです。
ご自分にあった楽しみ方を見つけてくださいね。